「四萬部寺の山門」
四萬部寺は、秩父観音霊場、札所1番としてよく知られている。山門をくぐり中へ入ると、正面奥に朱塗り銅葺きの観音堂が端然と建っている。
「石仏と観音堂」
秩父札所1番は昔、性空上人が弟子の幻通に、「秩父の里へ仏恩を施して人々を教化しなさい。」と命じた。幻通はこの地で四萬部の佛典を読誦して経塚を建てた。
「経塚本尊の釈迦如来像」
この経塚本尊の釈迦如来像が明治の末に、行方不明になっていたが、70年ぶりに都内銀座で発見された。浄財にて買戻し、経塚も復元されその上に安置された。
「祈る人影が絶えない」
本堂の中へ入ると、左の奥のほうへ、おたすけ観音様が安置されており、悩み、苦しみをおたすけくださるとして、大勢の人々に信仰されている。
「観音堂の裏面」
元禄の頃の建築といわれ、精緻な造り、荘重で気品のある堂宇は、県指定文化財になっており、緑の木立とよく調和してすごく美しい観音堂である。
「八角輪蔵の施餓鬼堂」
この堂で行われる四万部の施餓鬼は、関東三大施餓鬼の一つとして大変賑わい、古くは三十俵の米を炊き、詰めかけた信者はもとより、多くの乞食たちにも平等に施したものだったと云われている。
「誦経山・四萬部寺の御朱印」
「誦経山(ずきょうさん)四萬部寺(しまぶじ)」
この札所は妙音寺とも称し、秩父札所観音霊場三十四カ所は、ここから始まる。観音堂は元禄10年(1697)に秩父の名匠、藤田徳左衛門吉久により建造された。この堂は三間四面、表一間に向拝をふした入母屋造りで秩父札所中、特に整っており、昭和33年3月県指定文化財になっている。本尊は「聖観世音菩薩」立像一本造り江戸時代の作である。境内に建つ施餓鬼堂では毎年八月二十四日、「四萬部寺の大施餓鬼会」が行われる。
撮影場所:誦経山 四萬部寺
住所:埼玉県秩父市栃谷418